2020年 まつかわや初春大呉服祭 特別企画
「南国の美しい染織展」を開催いたします。
沖縄を象徴する建物で世界遺産にも登録されている首里城が火災によって全焼してしまいました。
昨年の10月末に飛び込んできた、とてもショッキングなニュースです。
首里城は過去にも火災があったらしく、そのたびに再建してきたという歴史があります。
今回は大変な火災でしたが、出来る限り早く首里城が再建できることを祈っております。
まつかわやでは今回、沖縄の染織物を沢山の方に知って頂こうと思い「南国の美しい染織展」を開催することになりました。
沖縄の様々な土地で継承されてきた織物は、その土地の独特な味わいがありますのでこの機会に色々とご覧いただければ嬉しいです。
読谷山花織
沖縄県の中頭郡読谷村で主に生産されている「読谷山花織」
南国情緒あふれる、おおらかな沖縄の風土を反映したような美しい織物でその明るい色味と南国風のおおらかな絵柄が人気となっています。
花織独特のデザインは南方から渡って来たものと考えられていますが時期は定かではありませんが15世紀には生産されていたと推測されています。
当時は琉球王朝のための御用布として、読谷住民以外の一般の人々は着用できませんでした。
沖縄には多種多様な染織品がありますが中でも極めて異彩を放っているのが花織です。
花織とは花柄を織り出した美しい織物という意味。
その魅力は可憐な小さな花形の模様と、その配色や模様のかたちが発散する南島らしい織物であるといえます。
首里花倉織
沖縄の織物の中でもっとも格式の高い織物で市松または菱形模様に織る紋織です。
一枚の生地に花織、絽織り、平織りと異なる織の行程があるため美しい花倉織を織り上げるには非常に高度な技術が必要とされました。
沖縄には紅型、宮古上布、芭蕉布など、様々な染織品がある中でも花倉織は琉球王朝の王族のみ着用が許された特別な織物です。
本場琉球紅型
紅型は沖縄唯一の伝統的な染技法によって創り上げられる染物となります。
技法には型紙を用いるものと、筒引きと言って直接布に模様を書く方法があります。
綿布、絹布、芭蕉布等に顔料及び植物染料を用いて手染めする色鮮やかな紅型と、琉球藍の浸染による藍型とがあり、
それぞれに華麗な魅力があります。
沖縄の染織は島に自生する染料を用いるのに対して、紅型は顔料が使われています。
顔料は染料とは違い鉱物性で重みのある色彩が生まれ、あたたかさと力強さを感じます。
さらにデザイン、型彫り、染めまでを工程を一人または一つの工房でおこなっているため、創り上げられた紅型には製作者の個性がでます。
着物の柄にはよく四季が表現されることが多いですが、沖縄は気候風土の変化が少ないので紅型の模様も「春夏秋冬」のデザインが一緒に描かれています。
また龍や鳳凰といった中国の伝説上の動物も多く使われているのも紅型の特徴と言えます。
自由な色やモチーフが生きていて、古い歴史があるにも関わらず、人々を魅了して止まない感性が紅型にはあります。
本場久米島紬
久米島紬の特徴は素朴な風合いと植物染や泥染めによる独特な色調にあります。
その美しさは、数多い沖縄の染織品の中でも際立っています。
現在、日本全国で紬織物と名がつくものは二百以上ありますが、久米島紬はその中でも最も美しい織物の一つと言えます。
久米島ではかって、島を歩くと各家々から機の音が聞こえてきたといいます。
久米島が「紡の里」と言われるのは紬織物が盛んに作られ、伝統技法による良質の紬を織りつづけているからです。
南風花織着尺
沖縄県読谷村に構える工房「真南風」
染色には沖縄に自生する植物を染色材にして染め上げ、独特な美しい色彩を表現しています。
自然の風合いには優しさがあり天然染料で染められた色合いは、どこか懐かしいものを感じていただける魅力ある織物です。
呉服祭では今回ご紹介させて頂いた染織物以外にも沖縄の伝統的な商材を沢山、取り揃えております。
沖縄は伝統的な染織物の宝庫です。
南国で創り出された独特な風合いや柄ゆきをこの機会にじっくりとご覧下さいませ。
2020年初春大呉服祭申し込み